富士通は、自社のSEがシステム構築や運用実績を通して蓄積してきた知見を基に、AIなどを活用した業務支援ツールを開発し、「KIWare(ケーアイウェア)」として新たに体系化しました。2017年11月からグループ内でKIWareの活用を順次開始します。
今後、顧客のシステム構築や運用に適用することで、構築期間の短縮や品質向上、運用リスクの低減などを実現するとのこと。

KIWareは、同社がこれまで培ってきた総合システム開発体系「SDAS(エスダス)」に含まれるツール群に、AIなどの最新テクノロジーを活用した新たなツールを加え、社内での実証実験を経て体系化したものです。

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出典:富士通

KIWareを構成する主なツールの概要は

  • プロジェクトマネジメント【プロジェクトリスク予兆検知ツール(2018年度以降順次適用)】
    プロジェクトの進捗に影響を及ぼすリスクのある項目をモデル化することで、これから開始するプロジェクトに含まれるリスクを検知するとともに、そのリスクを回避するための施策を助言します。本ツールを活用することで、プロジェクトのリスクの顕在化を未然に防止することが可能となります。

  • 上流工程(システムの要件定義や業務設計など)【設計書用語自動推敲ツール(2017年11月より適用)】
    推進中のプロジェクトに関連する既存文書から、そのプロジェクト特有の用語や表記ゆれの発生パターンをAIで学習、モデル化。設計書作成時に入力された用語の誤用や表記ゆれをリアルタイムにチェックすることで、適切な表記ができるように誘導します。本ツールを活用することにより、設計書の作成効率と品質の向上を実現します。

  • 開発工程【リアルタイムマネジメントツール(2018年度以降順次適用)】
    プロジェクトの進捗状況や品質状況をダッシュボード上で可視化し、プロジェクトマネージャーがリアルタイムに把握することを可能にします。SEが利用する定型化された開発環境から、プロジェクトに関連した設計情報、プログラム情報、テスト実施状況等を自動収集し、より詳細な情報を分かりやすく可視化し、プロジェクトの状況をより正確に把握する事で、精度の高いプロジェクト管理が可能になります。

  • 【ソース診断ツール(2017年11月より適用) 】
    過去のプロジェクトのソースコードをディープラーニングを活用してモデル化することで、ソースコードの読みやすさや変更のしやすさを診断します。本ツールを活用することで、ソースコードの自動確認が可能になると共に、診断結果の中で示された問題点をレビュー担当者が原因分析を行い、効率的に対策を打つことが可能になるため、プログラムの品質向上やレビュー作業の時間短縮を実現することが可能になります。
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    出典:富士通

  • 運用保守【運用ログ分析ツール(2018年度以降順次適用)】
    自動収集したハードウェアやアプリケーション運用時のログ情報から、AIを用いて通常時の稼働状況を常に把握し、通常時とは異なる状況が生じた際に警告を発します。本ツールを活用することで、システム障害の発生につながる予兆をいち早く検知し、障害の発生を防止することが可能になります。また、予兆検知が難しい突発的な障害が発生した際は、通常時と異常時のログを比較分析することで、異常の発生原因や影響範囲を特定し、迅速な対応を可能にします。

これらのツールの中で、ソース診断ツールがいちばん気になります。できのよろしくないソースコードにAIがダメ出しをしてくれるわけです。
ソースコードの可読性などを自動チェックすることで、それ以降のコスト削減やプログラマの技量アップにも役立つことになります。

関連リンク
AIなどの最新テクノロジーを活用し、システム構築・運用業務を変革 : 富士通


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