Sputnik日本
出典:Sputnik日本
「人工知能」をネタにしたSF小説はけっこうありますね。
ところが、今回は人工知能が小説を執筆したというニュースです。人工知能を書いたSF小説ではなく、人工知能が書いたSF小説の話。

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人間と人工知能が共同で執筆した短編小説が、日本経済新聞社主催の「星新一賞」の応募されました。
応募された4作のうち1部は1次審査を通過しましたが、残念ながら受賞には至りませんでした。
この賞、応募規定に書いてあるのが

人間以外(人工知能等)の応募作品も受付けます。ただしその場合は、連絡可能な保護者、もしくは代理人を立ててください。

理系的発想力を問う文学賞というとおり、人工知能の応募作品もOKなのです。
賞に応募したのは、小説創作ソフト「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」の開発を進めている、公立はこだて未来大学の松原仁教授ら。
このプロジェクト、SF作家 星新一氏のショートショート全編を分析し、人工知能にショートショートを創作させることを目指しているそうです。現時点では人工知能が2割、人間が8割という貢献度のようですが、流れのしっかりした文章が書かれている点には驚かされます。文章を読んだだけでは人工知能が書いたとは誰も気づかないでしょう。
囲碁ソフト AlphaGoによるプロ棋士への勝利に続き、人工知能の飛躍的な能力向上を印象づけました。

さて、ここで気になるのは、人工知能による創造物と著作権の関係。
現在の制度で、人間が人工知能を使って生み出した創作物は、その人に著作権が認められます。しかし、人工知能が自律的に生み出した創作物については、権利の対象とは考えられていません。

それなら問題ないのでは?

いえいえ、問題は別のところに潜んでいます。
機械は疲れませんので、人間には生み出すことができないほどの膨大な創作物を人工知能が生み出す可能性があるのです。そうなると、強力な人工知能を持つ企業が著作権を牛耳り、人間が創作活動をすると著作権侵害を生じるというおそれもあるわけです。
この点に関しては、政府でも検討作業を進めているそうです。
今後、人工知能による創作と著作権の関係は、情報化社会のあらゆる場面で話題となるかもしれません。

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