政府は、2019年5月1日の改元に関して、新元号には画数ができるだけ少なく、なじみやすい漢字を用いる方針です。
政府が定めている元号の選定基準は↓
これを踏まえ、1文字15画を上限として、できる限り画数の少ない漢字を選ぶ方針とのこと。国民の「元号離れ」を防ぐ狙いがあるそうです。- 国民の理想としてふさわしい意味を持つ
- 漢字2字
- 書きやすい
- 読みやすい
- これまでに元号やおくり名として用いられていない
- 俗用(日常的に使用)されていない
元号の話題になると、いちばん気になるのはコンピュータシステムでの新元号の取り扱い方です。新元号のアルファベットの頭文字には、明治(M)、大正(T)、昭和(S)、平成(H)と重ならない文字になるのは当然。
それ以上にややこしいのは、Unicodeの「合字」。合字とは「㍻」「㍼」など、元号を一文字で表示したものです。これまでの元号については、↓のコードが割り当てられています。
「㍻」→ U+337B
「㍼」→ U+337C
「㍽」→ U+337D
「㍾」→ U+337E
と、この流れでいけば、新元号はU+337Aとなりそうですが、そこにはすでに「IU」が割り当てられていて使えません。さらにいうと、U+3300~U+33FFはすでに埋まっているのです。
ということで、新元号の合字が登録されれば、システムで合字を使っている企業は改修が必要になるわけ。
今から30年前、證券会社で改元に関連するシステム改修に携わりました。
證券会社では和暦の扱いはとても重要。古いシステムということもあり、その改修のために東京、大阪、名古屋の各センターに大量の人員が投入されました。元号に影響される箇所は非常に多いことから、各センターでの改修ペースが合わず、作業は遅れに遅れます。テストに入っても、errorとabend(異常終了)の山。
今回の改元は緊急対応ではないにしても、似たようなトラブルは避けられないでしょう。
今回の改元は緊急対応ではないにしても、似たようなトラブルは避けられないでしょう。
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