経済産業省_free_01-s

2019年5月10日、改正特許法が参院本会議において全会一致で可決、成立しました。

これまでの訴訟制度では、裁判所が侵害者側(被告)に証拠資料を求めることはできましたが、強制的に証拠資料を集めることはできませんでした。証拠資料は侵害者側が保有していることが多く、侵害を受けた被害者側(原告)は証拠集めができず不利であることが課題となっていました。
今回の改正特許法では、裁判所が指定した弁護士や弁理士など、中立の立場にある専門家が侵害した企業に立ち入り、証拠資料を収集することができます。また、損害賠償額についても、被害者側の製造能力や販売能力を上限とせず、侵害者側にライセンスを与えたとみなした金額を賠償額に加算できます。

併せて、改正意匠法も成立。ウェブで提供する画像、建築物の外観や内装を保護対象に意匠の保護範囲を広げられ、製品の形状やデザインの独自性を保護しやすくなりました。意匠権の存続期間も「登録日から20年」から「出願日から25年」に延ばされました。


目視検査支援機Neoviewの特許侵害訴訟では、ここで書いてある証拠資料に何度も泣かされた思い出があります。
裁判所が証拠資料を被告側に求めたところ、出てきた資料は「営業秘密だから」との理由で黒塗りのものだらけ。販売先のリストとして出された資料は、この裁判用に作られたものに黒塗りされており、被告が持つ原本は提出されませんでした。
納品伝票に関しても「裁判とは関係がない」とする項目は黒塗りで消されており、原告側が裁判と関係がないことを確認する手段がありません。つまり、原告側は損害額を的確に把握する手段がなかったわけです。
今回の改正特許法によって、被害者側の企業は泣き寝入りせずに済むでしょう。ただし、中立の立場にある専門家をどう選ぶか、専門家が証拠集めをしたことによる営業秘密漏洩の防止など、課題は山積みです。




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