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出典:西日本新聞

熊本地震で被災した建物の解体作業において発がん性のあるアスベストが飛散するおそれがあるとして、環境省は被災地でのアスベスト調査を行うことを決めました。
これまで熊本県や熊本市による調査は行われており、さらに環境省も被災地で倒壊した建物などの周辺で今月中にもアスベストの濃度測定を行うそうです。
環境省は、調査結果がまとまりしだい公表することにしており、解体作業にかかわる作業員や周辺の住民に注意を呼びかけています。

アスベストは、天然の鉱石が繊維状に変形した鉱物です。別名、石綿ともいいます。
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出典:Wikipedia

耐久性、耐熱性、電気絶縁性などに非常に優れ、安価であるため、建築材料、断熱材などに使われてきました。
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出典:東京労働安全衛生センター

しかし、長期間にわたってアスベストの粉じんを吸い込むと、肺がんや中皮腫の誘因となることが指摘されるようになり、現在はその使用と製造が禁止されています。
一度吸い込んでしまったアスベストを体外に排出する方法はありません。しかも、アスベストが原因で発症する場合、吸入して数十年たってから発症するのです。
第一種衛生管理者試験の問題でも「記録を40年保存しなければならない」と書かれているほど。そのため、「静かな時限爆弾」と呼ばれるそうです。

地震の被災地でのアスベスト飛散に関しては、阪神・淡路大震災や東日本大震災でも複数の解体現場で基準を超える濃度のアスベストが確認されてました。震災から10年以上経過してから中皮腫を発症した作業員もおり、労災認定を受けています。

解体作業にかかわる作業員や周辺の住民の方々にアスベストによる健康被害が出ないよう、早急な対策な望まれます。
 
 



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